フォト
2016年9月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ

« 父ちゃん誕生 | トップページ | げ、台風だ! »

2016年8月21日 (日)

Eテレ「ろうを生きる難聴を生きる」

8/20のNHK Eテレ「ろうを生きる難聴を生きる」

夫婦で見つけた音の力 -難聴のトロンボーン奏者-

をご覧になられた方に、ちょっと補足。

番組のディレクターさんがとても苦労されていたのが、いわばリハビリの過程の表現です。

私の場合は突発性難聴を発症してからの、大きく分けると

A:聴力が低下していく過程→B:完全に聴力が失われた直後→C:神経系のダメージが落ち着く

と3つの状況について、楽音についての”聞こえ”が大きく異なることはとても説明しづらいものでした。

Aの段階では健常な右側と異常を来している左側では同じ音を聞いても異なる高さで聞こえました。

自分の声も他人の声も変な感じに聞こえますし、楽器の音に至っては明らかに右と左が違うピッチに聞こえます。このままではチューニングはおろか演奏など全くできません。

この段階で症状が治まる方も多いと聞きます。しかし、これは音楽に親しむ者にとってはとても辛い状況です。

Bになると左から音として聞こえる部分はほぼ無くなりますが、おそらくはダメージを受けている神経のせいか、あらゆる音が直接振動となって脳に響くような不快な状態が続きます。

常に様々なピッチで大音量のハウリングにさらされているようなものです。

この期間は比較的短い(私の場合およそ2ヶ月)ものの、ピーク時にはもはや日常生活を送ることが困難でした。

さて、最も辛いBもなんとか乗り切り、ようやく解放されるかと思わせるCですが、聞こえているのは右耳だけのはずなのに、どうも音程感に違和感があります。しかも、聞こえていない左も聞こえている右もすごい音量で耳鳴りがします。(これは現在も続いており止むことはありません)

歌も器楽も演奏の際には[音程をイメージする]~[発音する]~[聴音する]~[調整する]という流れになるはずです。

考えた結果、「発症前の『ド』と発症後の『ド』が異なって聞こえている」可能性に気付きました。

番組中、ピアノに合わせてマウスピースを使ってのバズィング練習をするシーンがありますが、これは金管楽器としては比較的一般的な練習法だと思います。

これが普通の基礎練習と違ったのは前述のとおり、「自分がイメージする『ド』はもはや以前の『ド』ではない」からです。

ピアノの『ド』が一般的な音程だとすれば、それが何ヘルツかを問わず、それと同じピッチの音を出していることを確かめられれば、新しい状態になった自分の聴覚で[聴音する]~[調整する]の部分を再構築できるはず。というトレーニングを行ったのです。

ひょっとしたら今は病気に罹る前の音感に戻っているのかもしれませんが、それを確かめる術はありません。


退院後、出社した私に職場の上司は「あんな大きな音の出るトロンボーンなんて吹いているからそうなる」、「原因は仕事ではない、分かってるだろうね?」と言いました。

原因不明とされながらも、ストレスが最大の要因ということは臨床的な統計からほぼ確実視されているこの病気。私も当時の心当たりがあります。

命には別状ありませんがその後の生活に大きな変化を強いられる病気です。外見では全く分からないため他人の理解を得ることも困難です。

これを読まれた方、もし何かで辛い目に遭っておられるなら、お金では買えない、そしてかけがえのない自分の何かを失う前に善処してください。

ご自分の人生を大切に。

« 父ちゃん誕生 | トップページ | げ、台風だ! »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/543449/64094739

この記事へのトラックバック一覧です: Eテレ「ろうを生きる難聴を生きる」:

« 父ちゃん誕生 | トップページ | げ、台風だ! »